🩵 らくらく健康コラム㊲【前半|動作理解編】
安全に重いものを持ち上げて運ぶ方法
― 腰を守るのは「力」ではなく「使い方」 ―
1.はじめに
腰の痛みというと、
「重い物を持ち上げたときに起こる」というイメージを持っている方が多いかもしれません。
しかし実際には、
重い物を持ち上げた直後ではなく、
そのあとに ふと腰を曲げて、ボールペンなどの軽い物を拾おうとしたとき に
痛みが出るケースが少なくありません。
これはなぜ起こるのでしょうか。
普段から腰に負担がかかる動作を繰り返していると、
少しずつ負荷が蓄積していきます。
そして、何気ない動作をきっかけに、
その負荷が限界を超えてしまうことがあります。
そのため対策として大切なのは、
腰を鍛えて「余力」を持たせること、
そして腰に負担がかかりにくい動作を身につけることです。
今回はそのために必要な
考え方と運動の方法についてお伝えします。
2.「重い物を運ぶ動作」の流れと注意点
〇 基本的な動作の流れ
本コラムでは、次のような一連の動作を想定します。
- 約5kgの重さの物を
- 床から持ち上げ
- 約10mほど平地を歩き(今回は悪路は想定しません)
- 運んだものを床に置く
なお、
運ぶものに持ち手がある場合・ない場合の違いについては、
動作の説明の中で触れていきます。
〇 注意点 ※必ず確認してください
今回紹介する動作は、
「らくらく健康コラム㉟ 応用生活動作」 が問題なく行えることを前提としています。
もし今回の動作が難しいと感じる場合は、
コラム㉝~㉞で紹介している基本動作・生活動作の内容に戻るなど、
ご自身の動きのレベルに合わせた練習を行いましょう。
〇 一連の動作の説明
① しゃがんで持ち上げる
重い物を持ち上げる際に、
一番大切なポイントは 次の3つ です。
- 姿勢を崩さないこと
- 腹圧を高めた状態のまま動くこと
- 一連の動きを行う間、息を止めないこと
持ち手の有無によってしゃがむ深さは変わりますが、
姿勢と腹圧を保つことはどの場合でも共通です。
また、物を持ち上げる直前から
腹圧を高めておくことで、その後の動作を安定させ、負担を減らします。
腹圧とは、
お腹の中を内側から支える力のこと。
腰だけに負担が集中しないようにする、
体のコルセットのような役割を担っています。
② 持ったまま歩く
物を持ち上げた後は、
姿勢を保ったまま歩くことが重要になります。
ここでも基本は同じです。
- 姿勢を崩さない
- 腹圧を高めた状態を保つ
- 息を止めない
ただし、
持ち手があるか・ないかによって注意点が追加されます。
重い物を片手だけで運ぶと、
- 体が左右どちらかに傾きやすい
- 肩・腰・膝に負担がかかりやすい
- 歩き方(歩容)が崩れやすい
といったリスクが高まります。
そのため原則としては、
- 1個ずつ両手で持つ
- 複数ある場合は 同じくらいの重さを左右で持つ(※筋力と体幹が安定している方に限ります)
という持ち方がおすすめです。
ただし、
片手で持っても 姿勢・歩き方・腹圧が崩れない場合 に限り、
例外的に行うことは可能です。
その際は、定期的に持ち替えるようにしましょう。
③ 運んできた物を床に置く
実は、床に置く動作は、
①の「持ち上げる瞬間」と並んで、
一番気が緩みやすく、腰を痛めやすい動作です。
- 前かがみになる
- バランスを崩す
- 腹圧を抜いてしまう
といったことが起こりやすくなります。
「持ち上げる → 運ぶ → おろす」
すべてを1つの動作として行う意識が大切です。
▶まとめ
前半では、
重い物を運ぶときに「どこで」「なぜ」腰に負担がかかりやすいのか
を整理しました。
後半では、
こうした動作を 安全に行うための体づくり・具体的な体操 を紹介します。






